珍カラのインボイス名一覧 About invoice name of characin.
ショップでは珍カラはいろいろな名前で販売されます。これは問屋側が珍カラの種類がわからずに見た目やサイズなどから適当な「流通名」をつけてショップに出荷しているためです。(この 「流通名」を「インボイス名」という。)このため、1種類の珍カラが複数の名前(以下、インボイス名とする)で販売されることが多々あります。ここでは1種類につけられるインボイス名を全て列挙、一覧にしてみました。なお、インボイス名が存在する一般種カラシンもあわせて紹介します。

1種類のカラシンにつけられる複数のインボイス名
1種に付けられるインボイス名について、代表的なものを表で示してみることにする。
一般的なインボイス名(流通名)
同種に付けられる、インボイス名(流通名)
オジョロジョテトラ ペルーダイヤモンドテトラ、 ペルーハイフィンテトラ
ハーフレッドスティクタス Hy.sp.グリーンファイヤー、ハーフルビーテトラ
ルブラインテトラ
赤目赤線(テトラ)、レッドアイレッドライン(テトラ)、ハイフェソブリコンsp.レッドライン、ペルー赤目赤線
キャンディテトラ
スーパーコーヒービーンテトラ
スティグマニーテトラ
レッドテールスティグマニーテトラ、ステゲマニーテトラ
オレンジラインヘテロラブダス
Hy.sp.オレンジライン、オレンジヘテロラブダス
ヘミグラムス・スティクタス
ヘミグラムス・トリクティス、スティクタステトラ
コペラ・メタエ
コペラ・ニグロファスキアータ、ブラックラインコペラ
(注;「ニグロファスキアータ」はメタエ種のシノニム(無効名)として扱われている。)
ナノストムス・ベックフォルディ
ナノストムス・アノマルス
(注;「アノマルス」はベックフォルディ種のシノニム(無効名)として扱われている)
ゴールデンペンシル
(注;この名前で上記種が販売されているのは東亜のブリード個体のベックフォルディである)
ベックフォルディペンシル

見た目が極めて似ているが別種とされているカラシン
カラシンでは上記で述べたように1種類のカラシンに複数の名前がついていることが多い。
一方で、違う名前でも色彩や体型が非常に似ているために、本来はお互い別種なのに同種だと思われているカラシンも存在する。
ここでそんなカラシンたちを挙げてみよう。
以下の種類は混同されることが多いが、互いに別種である。

・チョコレートネオンとHy.ビルマエは別種
チョコレートネオンは目が水色、ビルマエは目が赤色。
・Hy.メタエとコロンビアメタエは別種
Hy.メタエは腹部の発色が紫に近いが、コロンビアメタエはグリーンがかる。
・ダイヤモンドテトラとオジョロジョテトラは別種
まったくの別種。目の色が異なる。
・Hy.sp.タバジョス2とHy.コペランディは別種
まったくの別種。産地も異なる。
・ペレズテトラとHy.ソコロフィーは別種
産地は同じであるが、ペレズは大型種で、ヒレが伸張するのに対し、ソコロフィーは小型種で、伸張しない。



このように1種のカラシンに別の名前が複数存在するのには先に書いたように、問屋サイドやショップサイドが見た目の体色や産地で出荷名・販売名をつけることにあります。問屋サイドがあるカラシンを「Hy.コペランディ」としてしまえば、その魚は例えコペランディではなくても「Hy.コペランディ」として流通します。

私が思うに、カラシンの名前の混乱は何も卸・販売サイドだけの問題ではないのではないでしょうか?当サイト以外にもカラシンを扱ったサイトが多数見られますが、その中にはカラシンの不明種や既知種にサイト管理者が(見た目の色彩などで)勝手に名前をつけて、ホームページ上に掲載しているサイトがあります。これも名前の混乱を招いている要因の1つではないかと思います。尾筒に黒点があれば、「ブラックポイントテトラ」だとか、「ブラックスポットテトラ」だとかそれまでにはなかった名前を個人が勝手につけることは止めていただきたいものです。

とはいえ、名前だけでは簡単には種類が判別できないというのも珍カラの奥深いところであるように思いますが・・・。

注釈:カラシンの学術的分類とアクアリウム的分類
一般にマニアが別種だとか同種だとか断言するのは「アクアリウム的分類」であり、「学術的分類」ではアクアリウム的分類とは異なる場合があります。コリドラスではスポットの大きさの違いでよく同種か異種かが議論となりますが、大抵は同種だということでまるく収まります。しかしカラシンではどうでしょう?スポットの大きさの違いがあるだけで恐らく別種とする意見が強くなるのではないでしょうか?これはカラシンマニアとコリドラスマニアの種類判定の基準がそれぞれ異なるためであると考えられます。しかしこれもアクアリウム的分類に過ぎません。学術的分類ではコリドラスのスポットの大きさが違うだけで別種と判定される場合もありますし、カラシンではスポットの大きさこそ違っても実は同種であるとされることだってあるのです。 マニアがよく言う、「ここの模様が微妙に違うから別種だ」とか「体高が見た感じ違うから別種だ」とかいうのはあくまでアクアリウム的分類であって、学術的分類ではアクアリウム的分類と意見が食い違っている場合なんて当たり前のようにあることです。
つまり配色、体型に違いを根拠に我々のような分類学の素人が別種とするのは考え物であると思います。


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