カラシンの種類判別方法How to memorize characin name.
カラシンやコリドラス、ワイルドベタ、アピストグラマなどは珍種を含めるとかなりの種類が存在します。体色が同じに見える個体でも実は別種だったとか体色が全く違うのに実は同種だったなんて、珍種を扱っていれば日常茶飯味です。そこで私が考える、魚種の見分け方のポイント(視点)を紹介しましょう。


外見が似た異種同士の区別
カラシンの種類を見分けるポイントは次の事柄につきます。カラシンの名前を1つ1つ覚えていくにはまずは1種ごとに種類の見分けが付いていないといけません。
POINT
おおまかな特徴だけではなく、細部の特徴も覚えておくこと。

魚種を見分けるコツ(魚名を覚えるコツ)は、図鑑にでも載っているようなおおまかな特徴だけではなく、細部の特徴も覚えておくことです。種々の特徴のみ覚えていくだけでは多くの種類の魚を飼っていくうちに同じような特徴を持つ種同士を見分けられなくなってしまいます。カラシンでは一見しても分からないほどの微細な違いで全く種類が異なったりすることが多いのでこのことはとても重要です。
例えばHy.ヘテロラブダス(左)とHy.アグルファ(右)を覚える場合です。いずれも体色は非常に酷似しており、「体側の3色のライン」という両者の特徴で覚えていては、どちらがヘテロラブダスでアグルファなのかがはっきりしません。ですから、種々の細かな模様や体色を覚える必要があります。(もちろん、1種につき、ある程度のバリエーションパターンも覚えておく。)先の例でいえば「アグルファは尾筒部が赤くなり、エラ蓋後部に縦型楕円の黒斑が入るがヘテロは単なるラインのみ」などと細部を覚えておきます。

この方法で慣れればほんのわずかな違いしかない魚種同士を見分けることが可能となると思います。ただし模様や体色で見分ける場合、色がとんでいない(光の当たり具合や健康状態などの関係で魚の体色が薄くなったりすることを「色が飛ぶ」という。)個体を見たほうが、間違いが減ります。
繰り返しになりますが、おおまかな特徴だけではなく、細かな特徴も把握しておくということが重要です。

特徴的な体型や体色を持ったカラシンの同定
カラシンではハチェットの仲間やコペラの仲間のように、所属する属にそれぞれ特有の体型が多く見られます。それら体型的特長をつかんでおけば、種類を同定する際に役立つことがあります。それら体型的特長を持った属をいくつか挙げて、他属との判別の方法を書いてみます。

1.チトブリコン属 Family of Tyttobrycon.
尾筒下部にコブのような特殊な形状が見られる。本属のカラシンは今のところ、混じりでのみの輸入しか見られない。また体色的に地味であることが多い。

2.ケイロドン属の一部の種類 Family of Cheirodon.
尻ビレ付け根部分に角張った形状が見られる。ケイロドン属の中にはハステータス・カラシン(Cheirodon kriegi)のように、この特徴がさほど目立たない種類もいるが、ケイロドン・インタールプタス(Cheirodon interruptus)のようにこの特徴が明確な種類も多い。少なくともこの特徴を持ったカラシンはケイロドン属である可能性が高いことを認識しておくとよい。

ハステータス・カラシン(Cheirodon kriegi)
ケイロドン・インタールプタス(Cheirodon interruptus)

3.コペラ属・ピリューリナ属 Family of Copera or Pyrrhulina.
ナノストムス属、ナノブリコン属と並んでカラシンの中では最も細身な体型をしている。また成熟したオス個体の背ビレは伸張する。ナノストムス属、ナノブリコン属に比べ、背ビレが後方(尾ビレ寄り)に付いている。2つに分岐している尾ビレは上方が下方より長い。