この方法で慣れればほんのわずかな違いしかない魚種同士を見分けることが可能となると思います。ただし模様や体色で見分ける場合、色がとんでいない(光の当たり具合や健康状態などの関係で魚の体色が薄くなったりすることを「色が飛ぶ」という。)個体を見たほうが、間違いが減ります。
繰り返しになりますが、おおまかな特徴だけではなく、細かな特徴も把握しておくということが重要です。
特徴的な体型や体色を持ったカラシンの同定
カラシンではハチェットの仲間やコペラの仲間のように、所属する属にそれぞれ特有の体型が多く見られます。それら体型的特長をつかんでおけば、種類を同定する際に役立つことがあります。それら体型的特長を持った属をいくつか挙げて、他属との判別の方法を書いてみます。
1.チトブリコン属 Family of Tyttobrycon.
| 尾筒下部にコブのような特殊な形状が見られる。本属のカラシンは今のところ、混じりでのみの輸入しか見られない。また体色的に地味であることが多い。 |
2.ケイロドン属の一部の種類 Family of Cheirodon.
尻ビレ付け根部分に角張った形状が見られる。ケイロドン属の中にはハステータス・カラシン(Cheirodon kriegi)のように、この特徴がさほど目立たない種類もいるが、ケイロドン・インタールプタス(Cheirodon interruptus)のようにこの特徴が明確な種類も多い。少なくともこの特徴を持ったカラシンはケイロドン属である可能性が高いことを認識しておくとよい。 |
ハステータス・カラシン(Cheirodon kriegi) | ケイロドン・インタールプタス(Cheirodon interruptus) |
3.コペラ属・ピリューリナ属 Family of Copera or Pyrrhulina.
ナノストムス属、ナノブリコン属と並んでカラシンの中では最も細身な体型をしている。また成熟したオス個体の背ビレは伸張する。ナノストムス属、ナノブリコン属に比べ、背ビレが後方(尾ビレ寄り)に付いている。2つに分岐している尾ビレは上方が下方より長い。 |