カラシン学名事情Rare characins scientific name situation.
学名が決まっていない魚は数多くいる。中でもコリドラスとカラシンはこれに当てはまる種が多い。ここでは学名が未決定のカラシンについて管理人珍カラ大好きが現地点での学名未決定種についての意見をもとに独自の考えを記載してみた。珍カラの新しい楽しみ方をぜひ皆様もご堪能ください。学名の見方については珍カラ学名リストを参照。

コペラの仲間 この仲間はカラシンの中でも学名が未決定の種が多い属だ。決まっているといえばメタエ(C.metae)ナッテリィ(C.nattereri)アイゲンマニィ(C.eigenmanni)レインボーコペラ(C.vilmae)(写真左)くらいでその他のコペラ(パンダコペラなど)は皆、まだCopella sp.と学名が決まっていない。(パンダコペラは各種のコペラやピリューリナに黒点のしみがついたものの総称なので学名は決まらないだろう)これはこの仲間に見られる独特の特性(?)が原因ではないかと考えられる。それは他のカラシンの属よりも極端に類似種が多いことである。たとえばコペラ・メタエという一種について調べてもたくさんの類似種を持っていることがわかるだろう。学者の間でもこのような類似種の区別が難しいのであろう。このような状況において1種1種学名を決めることは困難を極める、それが学名未決定の理由ではなかろうか。


ナノストムスの仲間 ナノストムス属とは一般にペンシルフィッシュと呼ばれる仲間のうち、体を斜めにして泳がないグループをさす。ナノストムス属ではN.ベックフォルディ(写真左)が有名だ。(斜めにして泳ぐのはナノブリコン属である。)ナノストムス属にはまだまだ不明種が多い。ナノストムス属の種類特定を難しくしているのは、何といってもアブラビレの有無であろう。例えば「N.ディグラムス(写真右)」として入荷する魚にはアブラビレがあるものとないものが存在する。本物のN.ディグラムスはアブラビレがあるほうで、ないものは不明種、即ちsp.にあたるわけである。このようなアブラビレによる種類違いの可能性は他にも数例が知られている。皆さんもこのような“小さな違いで珍カラになる魚”を集めてみてはいかがだろうか?