熱帯魚を飼おう!

飼う前に知っておきたい基礎知識
熱帯魚を実際に購入する前に最低限知っておきたい事項を確認しておこう。
水温
まず、飼育水温は26度以上30度以下。魚の新規導入時にかかりやすい 白点病予防のため、水温はあえて29度から30度と高めに設定することもある。このことから自動で水温が調節されるオートヒーターよりも飼育者の手で水温を設定できるサーモスタット付手動ヒーターをオススメする。

次に餌であるが、飼育魚にもよるが基本的には人工飼料で間に合う。ただしチョコレートグラミィやカージナルダーターなどの人工飼料になかなか餌付かない魚種についてはアカムシやブラインシュリンプなどの生餌を準備する必要がある。
混泳
いろいろな種類の熱帯魚を1つの水槽で一緒に飼育する混泳は、魚種それぞれの性格を把握しなければならず意外と難しい。中には他魚に悪さを働いたり、ちょっかいを出したりするものがいる。このような性質を持つ魚を「気が荒い」という。代表的なものにスマトラ、ダニオの仲間、エンゼルフィッシュ、フライングフォックスなどがある。購入時には魚の性格をよく調べることをお勧めする。
水槽と許容飼育数
さて飼育する水槽のサイズはもう決まっているだろうか?大体の目安で1Lにネオンテトラサイズの魚なら1匹飼育できるとされているが、やや余裕を持って飼育したほうが飼育水の汚染速度も緩やかであり、魚もストレスがかかりにくい。従って3Lにネオンテトラサイズの魚1匹の割合がオススメだ。標準的な60cm水槽では約50L入るので魚はネオンテトラ(全長3センチ)で最大16〜17匹(=約20匹)ほど入る計算である。

基本の水温は26〜30度。水質はpH6.5前後(弱酸性)。
ただし、グッピーのうち外国産(輸入グッピー)はpH7.5(弱アルカリ性)がよい。
許容飼育数は基本は2〜3Lに3センチサイズの魚1匹。


初めて飼育する魚は何がよいか?
初めて熱帯魚を飼う方ならば「アカヒレ」(写真参照)という温帯魚から買うのがお勧めである。よく書物には「初心者にはグッピーやネオンテトラ」とあるが、実はこの2種は意外と扱いづらい。前者グッピーは特に輸入グッピーはショップへの入荷状態が悪いことが多く、ネオンテトラは飼育方法を誤ると難病の1つであるネオン病にかかってしまうことがあるのでお勧めできない。それにひきかえ、アカヒレという魚はかなりずさんな環境でも生き延び、餌も何でも食べるので初心者でも扱いやすい魚種なのである。また水温も温帯魚(熱帯魚と違い、低温にも耐える)なので水温の上昇、下昇にも強い。価格も1匹20円ほどとリーズナブルなので財布にも優しい。目安として購入したアカヒレ全てが1週間の間トラブルなく飼育できたなら、他の小型熱帯魚に手を出しても良いだろう。

初心者にはネオンテトラや輸入グッピーでなく、アカヒレ(写真)がオススメ!!
まずはアカヒレを1週間キープしてみよう。


魚が病気にかかったらどうするのか?
病気はまずださないことが重要だが、しっかり管理していても思わぬところから魚が病気に感染することがある。そんなとき、飼育者はどう対応すればよいのだろうか。各病気の治療法についてはサイトコンテンツ「カラシンにおける病気の治療法」をご覧ください。(カラシン以外の魚にも対応しています。)

失敗しない魚の選び方
熱帯魚店の水槽をのぞいていると一見すべての魚が元気なように見えるが、1匹ずつをよく見ていくと意外と弱っていたり、病気の個体がいたりする。店員さんも気づかずにこれらの魚も掬ってしまうことがある。魚を購入する際にはある程度「自分で選ぶ」ことが大切だ。ただし50匹など大量の魚を購入する場合は1匹1匹選ぶことは店員さんに迷惑がかかりとても無理なので店員さんが掬い終った後、袋詰めする前に少し自分で店員さんが掬った魚を見せてもらおう。それで一見してわかるほど弱っている魚がいたら元気な個体と交換してもらうとよいだろう。

水合わせについて
購入してきた魚を水槽に導入する際に袋の水と魚をすぐに水槽に入れると、袋の中の水と自分の水槽の水の違いによる「pHショック」「水温の急変による衰弱」など様々な障害が魚に生じる。従って水槽に導入する際には、袋の中の水温・水質を自分の水槽の水温・水質に合わせる必要がある。その方法を紹介する。
まず購入してきた魚は袋のまま1時間ほど自分の水槽の水につけよう。(よく本や雑誌には15分から30分とあるが、個人的にはそれでは十分に袋内と水槽内の水温が一致せず、短すぎると考えている)(=水温を同じにするため。)1時間後、袋の口をあけ、自分の水槽の水を少しずつ袋内に入れ、最終的にもともと袋の中にあった水量の半分くらい入れたら(=水質をほぼ同じにするため。)袋の口をあけ、魚だけを網で取り出し、自分の水槽にゆっくりと移す。
これで水合わせ(水槽導入)の作業は終了だ。

最初の袋漬けは1時間。袋から水槽に移す際には、袋の中の水(=ショップの水)からの細菌の流入を防ぐため、袋内の水を入れず、魚だけを水槽に入れる。


ろ過設備について
魚を飼うに当たって一番重要といっても過言ではないのがろ過設備である。魚の数が多いほどろ過能力の高い設備が必要となる。またどうしようもない理由で過密飼育を行う際にはろ過設備でその飼育難易度が変わってくる。通常、水草水槽なら飼育水が空気に触れることがない(飼育水に溶け込んでいる水草の光合成に必要な二酸化炭素が逃げにくい)、外掛け式フィルター外部フィルターを使用する。水草水槽以外なら上部フィルター水中フィルターでもいいだろう。ただし、水中フィルターは水中に設置するので魚の遊泳スペースが減るし、景観的にも目立つし、上部フィルターは水槽の上に設置するので蛍光灯設置スペースが減少するし、設置部の下はどうしても暗くなるといったデメリットがある。その辺りをよく考慮した上で自分の目指す水槽環境に合ったフィルターを選ぼう。良水質維持のためにも、魚の健康維持のためにも水槽サイズと飼育魚数に合わせたろ過装置が必要なのである。なお、フィルターマットなどは定期的に水道水で洗浄したり汚れが激しい場合は新しいものに取り替える。

水草水槽なら外部フィルターか、外掛け式フィルター。


魚の収納数について
水槽の大きさに関係なく魚を詰め込んでいくのは水中の酸欠や魚の糞による水質汚染のなどを招くためお勧めしない。先に記したように、基本は2〜3Lに3cmサイズの魚なら1匹だ。過密飼育をしたら魚が弱るということはショップで肉食魚の水槽にいるエサ金とエサ金が大量につめられているエサ金水槽にいるエサ金を比べれば一目瞭然だろう。肉食魚販売水槽である大型水槽内にいるエサ金はヒレもぴんと張って活発に泳ぎ、非常に元気な様子を見たことはないだろうか?それに比べ過密飼育されているエサ金のエサ金はヒレもたたんでいて泳ぎも体をくねらしていたりして元気がないように見ないだろうか。このことから過密飼育することは収納魚の抵抗力を下げ、健康を奪うことが分かるだろう。
ただ、カラシンなどテリトリーをもつ魚種の場合、やや過密飼育するとテリトリーをもつ場がなくなり、魚同士の追いかけあいが減少する効果がある。


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