カラシンの学名について

学名表記の見方
学名表記には通常、リンネの2名式命名法を適用している。
この命名法は以下の中でア.属名、イ.種小名の2つの単語から成立している学名のことである。



亜種が存在するときには上記のウ.に「亜種名」を記す。
また亜種ではないが、1種にいわゆるバリエーションとよばれる複数のタイプが存在する際には
ウ.に「変種」を示す、varietyの略である「var.」を記す。
さらによく書物で目にするのがsp.という表記であるが、これはspeciesの略で、種小名が不明な場合にイ.の位置に記す。
(上記の属名の不明種の場合は「Hyphessobrycon sp.」と表記する。)

ウ.にはその魚の発見者名や生息地名(発見地名)が「""」マークではさんでアルファベット大文字で記されることもある。
特に発見者名が記されるときは「""」は省略されることもある。
(例えばネグロ河で採集されたカラシンだとすると「Hyphessobrycon heterorhabdus "Rio Negro"」と記される。)

学名を日本語訳する時の記述について
学名は本来、ラテン語で表記されるもので、われわれが普段目にする学名は英語に直したものである。日本語に訳すときには英語発音の都合などで、書物によって若干の差異が生じることがある。例えばヘミグラムス属に「Hemigrammus coeruleus」というカラシンがいるが、この種小名のcoeruleusを「コエルレウス」と訳すか、「カエルレウス」と訳すかは書物によって様々である。これは「co」の発音が英語では「KO」と「KA」の2通り考えられるためである。同様に、同じスペルで発音が違ってくるものには「th〜」や「ch〜」、「〜tzi」などがある。「〜tus」は「〜タス」とも「〜トゥス」とも読むことが出来る。コリドラスに「Corydoras trilineatus」という種類がいるがこれは「トリリネアータス」や「トリリネアートゥス」さらに長音を除いて「トリリネアタス」とも読むことが出来る。

学名の中の略語
cf.「参照せよ。」という意。 cfの後に続く魚名の魚を参照せよ。と読み取れる。(例)Hemigrammus sp.cf.metaeの場合、メタエに近い種類もしくはメタエかも?ということ。
sp.speciesの略。「不明種」の意。なお、複数の不明種の場合、ssp.(Subspeciesの略)と記すことがある。
var.「変種」の意。地域変異や、個体変異などの場合に記される。varietyの略である。通常、学名の末尾に付する。
シノニム.学名中には示されないが、無効となった学名をシノニムという。(同一種(同じ魚)に2つ以上の異なった学名がつけられた場合に、 一番初めにつけられた学名以外はすべて無効(=シノニム)となるという決まりがある。)(例)コペラ・メタエのシノニムは、コペラ・ニグロファスキアータである。

学名に関してさらに詳しく>珍カラ学名リスト




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