珍カラ大好きが伝授する
成功する混じり抜き方法 Let`s get to the rare fish.



Introduction. 〜混じり抜きとは?〜
熱帯魚と呼ばれる魚のうちカラシンやコリドラスというような種類は南米からのワイルド物が多くショップに入荷しています。現地では1種類の魚のみを河から大量に採集することは不可能に等しいので違う種類の魚もその網にかかってしまうわけです。この魚は”混じり”といわれ、普通、問屋の段階で目利きによって選別され、価格を上乗せされ、場合によってはかなり高額になってショップに入荷します。しかし時折、目利きの眼をすり抜けて混じりが残ったままショップに入荷してしまう場合があります。(言わば目利きの見落としです)これを抜くのが私たち"購入者”なのです。これを「混じり抜き」といいます。混じり抜きとは通常は高価な珍カラを安価で入手できる可能性を秘めた裏ワザというわけです。


まず混じりがいそうな魚を探そう。ブリード(養殖)個体には混じらないのであらかじめ確認を。

混じり抜きが出来る販売水槽条件
・1匹のみや2匹のみの入荷ではなく、大量入荷している水槽である。(稀に少数入荷でも混じることがあるので注意。)
・販売水槽内にいるのがワイルド個体であること。
・「選べません。」「魚の指定はできません。」といったショップ側の規則がないこと。
上記のような条件の販売水槽で混じりを探しましょう。

混じりがよくいる一般種
当然ですが混じり元の魚と混じりは基本的に産地が一致します。以下に混じりがよくいる代表的な種類と混じる種類を挙げてみます。

| カージナルテトラ
 ほとんどがワイルド個体(最近はオランダブリードもあるので注意)なので高確率で何かが混じる。ショップに行ってまず最初にカージナルテトラの水槽をチェックしてみると良い。
・カージナルテトラによく混じる主な珍カラ
 ヘミグラムス・スクマルダエ、赤目金線テトラ各種(Hem.ベロッティなど)、黒点系テトラ各種、ネグログラステトラ、ホタルテトラなど。
| ゴールデンテトラ(Hem.アームストロンギ、Hem.ロドウェイ)
 プラチナ系のカラシンがよく混じる。過去にスティクタスのプラチナ個体やチトカラックスのプラチナ個体が混じっていたこともある。
問屋の段階ではコペラやペンシルのプラチナも入っていることがあるが、こちらはほとんどが問屋で抜かれてしまうようだ。
| ラミノーズテトラ
 最近はワイルド個体は少ないようだが、稀に入荷するワイルド個体には金線系の珍カラが混じる。
他にHem.スティクタスやHem.レビス、Hy.ミノールも混じることがある。
| テトラオーロ
 この魚にはケイロドン系の珍カラがたくさん混じるので要チェックだ。ハルテータスカラシンなんかはかなりの高確率で混じる。
| レッドテトラ
 この魚は主にブリード個体が流通するが、たまに輸入されるワイルド個体に混じりが入ることがある。しかし混じる確率はそう高くない。ごく稀にダーター系も混じる。
| グリーンネオン
 カージナルと生息地が同じため、混じりも似たような種類が多い。コペラ・ナッテリーなども混じることがある。
最近はカージナルにグリーンネオンが混じっていたりするが、グリーンネオンを見つけても仕方ないだろう。カージナル同様、要チェック魚の1つ。
| コリドラス・パンク(Co.レウコメラス)
 入荷するほとんどがワイルド、しかも類似種が多いので混じりがいることが結構ある。
同じ産地のコリをチェックしておこう。もちろんワイルドのブラッシングタイプやアルビノタイプの混じりがないかもチェックすべきだ。
| その他のコリドラス
 コリドラスでは上記のパンク(正確にはパンクテータス)以外の種類にも色々な珍コリが混じる。ここで代表的なものを少し紹介しておこう。ステルバイにはハラルドシュルツが混じる。ピグマエウスにはエレガンスに似たsp種が混じり、トリリネアタス(主にジュリーの名で流通)にはジュリポレやマスクドトリリネなどが混じる。またすべてのコリドラス(ワイルドで入荷する種)にはロングノーズタイプやショートボディタイプ(バルーン個体と呼ばれる)が混じることがある。アドルフォイにも体側に斑点が入った不明種など多数のコリドラスが混じる。ただ、魚の性質上、ワイルド個体の大量入荷が少ないコリドラスから混じりを入手するのは簡単ではなく、根気強さが必要だ。

[例1.カラシンの混じり抜き]
[左]混じり抜きで入手できたヘミグラムス・ルエルンギ。
混じり抜きでしか入手できないカラシンもいる。
[例2.コリドラスの混じり抜き]
[左]混じり抜きで購入した、Co.sp.ハイフィンロライマ。
ロライマ州からは珍コリが結構来る。

混じり抜きについてさらに詳しく>写真で見る!混じり抜き方法


1.初めて行くお店では・・・
混じり抜きをする際、店員さんによっては混じり物が珍しい個体だと判断して価格を上乗せすることもある。しかし初めて行くお店では当然ながら店員さんとも初対面でありどのような店員さんか分からない。そこで初めて行くお店では、混じり物を指差して「あの少し色が変わったやつ掬って下さい」等とそれとなく(とぼけたように)言うことをオススメする。(このとき自分がマニアではなく変わり物好きととられるほうがよい。)店員さんに「じゃあ、これ(=元の魚:カージナルなど)と同じ値段で・・・」と言われたら混じり抜き成功だ。もしここで価格を上乗せされたら混じり抜きで安く珍カラを入手するという意味では失敗。価格を上乗せすることは混じり物が珍しい個体であることや混じり物を選って掬う手間等を考慮すれば当然の権利でもあるので、あまりしつこく言って怒られたり嫌われたりすることが無いようにしよう。魚を飼う以上、熱帯魚店と仲良く楽しく付き合わうことが大前提だ。混じり抜きをする場合にも守るべきルールがあることを頭に入れておこう。

2.行き慣れて親しいショップでは・・・
親しい間柄のショップの方なら、常連さんとして認めてくれているはずなので、上記のようにする必要はなく、正直に「あの混じってきている珍カラ(カラシン)を掬ってください。」と言っても、混じり元の値段で販売してくれるだろう。


混じり抜きで入手した珍カラの種類を同定しよう!
混じり抜きができたらカラシンインデックスなどで種類を特定してみましょう。「もしかしたら新種かも」とか「日本に輸入されたことのない種類かも」など種類を調べる瞬間にそういった想像にかき立てられることも混じり抜きの醍醐味の1つです。もし種類が分からない場合は写真を撮って当ウェブサイト宛に送っていただければ管理人ができるだけ調べてみます。

混じり抜き方法のポイントまとめ
1、何か混じっていたら種類が分からなくても(よっぽど状態が悪くない限り・余裕があれば)購入してみましょう。後で「化ける」可能性がある。
2、混じり抜きをする際は、
・ショップに行ったらまずワイルド個体のカージナルテトラの水槽をチェック!
・カージナルテトラ以外にもワイルド個体の一般種が大量に入荷している水槽をチェック!
・初めてのショップまたはあまり慣れていないショップの場合はとぼけたように、珍カラのこと何も知りませんといった顔で注文する。
・行き慣れて親しいショップの場合は「あの混じってきている珍カラ下さい」と正直に言えばよい。

混じり抜き方法の基本は以上です。このページをご覧になって混じり抜きに成功された方はぜひご一報下さい。


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